かまたまRock 'n' Roll

地元のサッカークラブとロックンロールをこよなく愛するもの

裏天王山

水曜の横浜戦の結果を受けて日曜に急遽帰郷。「裏天王山」となってしまったザスパ戦をどうしてもこの目で見届けたかったのだ。
ゴラッソの応酬で、試合としてはとても見応えがあったけど、絶対に負けちゃいけないこの一戦を落としてしまったことで、遂に最下位。さすがにスタンドの雰囲気は悪く不満が充満していた。ため息とときおりの怒号が耳に痛い。

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原のボレーで先制した時はスカッと晴れ渡ったのに。つくづくサッカーってのは、得点シーンがカタルシスの競技なんだと思う。
後半なんか殆どノーチャンスで、縦に長いの入れては弾き返されるばかり。よくよく考えてのこととは思うけど、お世辞にも観てて楽しくなるようなものじゃなかった。周辺の不満のボルテージが、時間を追うごとに高まっていくのが肌で感じられた。
今回はA席に座っていたので、私のすぐ近くでベンチ外の選手もこの試合を観てたのが見えた。彼らはこのスタンドの雰囲気を間近で見て、なにか感じるものはあっただろうか?誰でもいい。早くこの空気を吹き飛ばしてくれ。


それまでずっと一人負け状態だったザスパだったけど、立場は完全に逆転してしまった。噂の反則級外国人カン・スイルを、開始からずーっと目で追って見てたんだけど、ありゃー凄い。始終エブソンとヨンジがついてたので得点こそ許さなかったけど、彼という脅威が居ることで、周りの味方が落ち着いてプレーしているように見えた。自分が囮になることで周りを活かす、そんな存在。高井の一点目、岡田の二点目ともに、とても最下位のチームが見せるパフォーマンスじゃない。

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それにしてもザスパいいの獲ったね。それも残留を争うレノファ&ウチとの直接対決という、まさに絶好のタイミングで。そのうち黒い面を出すかもしれないけど(笑)、この二連戦を勝ったってのが大きい。まさに回天の一手だ。これは敵ながらアッパレと言うほかない。


我々の戦力を顧みる。

身内びいきを差し引いても、最下位に沈むような戦力ではないと思ってる。プレーオフとは言わないけれど。
昨オフの戦力流出も少なく、むしろ上積みに成功した方だと言っていい。なのにここまで15戦消化して、わずか1勝の勝ち点9。これは運不運だけで説明がつく問題じゃない。
幸いにして課題はハッキリしている。失点23点中、約半分の11点がセットプレーからによるもの。

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(Football labより引用)http://www.football-lab.jp/sanu/

私にはどこに穴があるのかサッパリ分からんが、対戦相手から見ればおそらく完全に攻略されているんだろう。これをなんとかしなければならない。


先日レノファの上野監督が退任された。「解任」なのか「辞任」なのかわからないけれど、思いのほか早く動いてきた。一人負け状態だった群馬が上がってきたことで、このままでは降格に巻き込まれてしまうと判断したのだろう。この選択が吉と出るか凶と出るか?それは今シーズン終了時の結果において評価される。

その上野監督も我々の北野監督も、これまでの経緯が似ている。共に地域リーグからJ2までチームを導いた最大の功労者。にも関わらずレノファは生き残るために、泣いて馬謖を斬った。置かれている状況だけで考えれば、我々のほうがレノファより悪い。我々はこのままでいいのだろうか?同じくJ2残留を争うクラブとしては、少し心が乱れる。

クラブの人事はクラブの仕事。だから一サポーターである私自身が、ああしろこうしろと言うことはない。
ただ一点信じている。それは、このままズルズルと行っても仕方ないやと思ってる者は、このクラブに誰一人としていないだろうと言うこと。その点については全幅の信頼をおいている。だからどのような選択をしようと、それが最良の選択だと信じる。

その上で個人的見解を言ってしまう。

もし当初の目標通り6位以内プレーオフを目指すと言うのであれば、それはもう指揮官交代ということになるだろう。15戦やって1勝なのだ。この先劇的に連勝街道を驀進ってことは考えにくい。
そうではなくJ2残留に切り替えるのであれば、続投が最善。なんたって過去3年の実績がある。今さら未知の指揮官を仰ぐよりも確実だ。
そしてそれが今取りうるべき選択肢であると考える。

シーズン半分も過ぎてないのにいささか気が早いんじゃないか?と思わないでもないが、実のところ時間切れではないか?
今の順位ではJ1ライセンスを取得するための施設(練習場、クラブハウス)確保を、ライセンス申請締め切りの6月末までに取り付けるのは難しい。それにはおそらく「今」プレーオフ圏にいる必要があった。仮に今から全勝したとしても、6月末の時点でその機運を高めることに、おそらくならない。
上がれなくてもプレーオフ圏を目指す。それはそれでロマンある試みかもしれないが、もはやそれが許される状況じゃない。監督・選手にとって不本意極まりないだろうが、事ここに至ってはJ2生き残り戦略に舵を切ってほしい。2015シーズンで鉄壁の砦を築いた北野さんなら、やってやれないミッションじゃないと思う。


とは言っても勝敗は時の運。最善を尽くしても、こちらがJ2の21~22位で、J3の1位2位がライセンス持ちなら落ちる。誰を恨むでもない、そういうルール。今我々はJ2全22チーム中それに最も近い。まだまだ諦めはしないが、一応万が一という時の覚悟はしておく。
この先どうなろうと、今後とも物心両面とも支え続ける気持ちに変わりはない。正直カテゴリはどっちだっていい。強いて言うなら、J3だと来るべき東西分割になった場合、関東住まいには観に行くことが難しくなることが残念だということくらいだ。
だからと言うわけではないのだが、今期は現地観戦は抑えめにするつもりだったけど予定を変更。出来得る限りで現地に駆けつけようと思っている。

とは言え、流石に先週の今日で徳島にはいけない(笑)。今日は遠い関東の空の下からダゾーン経由で見守ることとする。